あんぽんたんの日記

四半世紀生きました

キモくて金のないオッサン

ありふれた存在

漫画「いぬやしき」にて

このきもくて金の無いおっさん、つまりは社会的にも生物的にも魅力の無いおっさんのことであります。

 

なぜきもくて金の無い「おばさん」ではないかというと、世の中からはみ出してしまう人の多くは(ひきこもり、精神病患者、犯罪者...etc)確実に男性の方が多く、またそのギリギリで踏みとどまっている人も男性のほうが多いように思うからです

加えて生涯独身者、及び生涯にわたって子供を持たない人の割合に関しても同様です。その多くが「キモい」かは分かりませんが、魅力にあふれた上で生涯独身を選びうる人は極一部ではないでしょうか。

 

どこまでも一般論ですが、「平等」という言葉は男性よりも女性のほうがよく似合う言葉かもしれませんね。

パチンコ屋で余生を過ごす人々

僕は、漫画を読みにパチンコ屋へよく出かけるのですが(迷惑行為かもしれない)、そこでよく見かけるのがパチンコやスロット台の前にボンヤリと座っている高齢者、中年男性です。

 

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小銭を増やしたり減らしたりして、残りの人生を消化しているように見えます。

 

ゲームセンターのメダルゲームコーナーにもよくいますが、この場合は小銭すらないのかもしれません。

手を動かしたり、騒音があったり、人がたくさんいると安心するのだと思います。

 

先日、パチンコ屋の中で目の前を歩いていたよぼよぼのじいさんが、10円玉を落としたので拾って手渡ししたところ、無垢な笑みを浮かべていました。

それを見てなんだか悲しくなってきました。

いまさら奮起したところでもう人生の残りも少ない、しかし何か価値のあることを積み上げてこなかった以上は労働力を売るしか生きる糧が無い。
年齢が過ぎていればもう生活保護しかありません。

 

もっとも、そのじいさんの若い頃を僕は知らないのですが。

 

しかしそういう人間が今も着実に年を重ねていることを考えると、子供の頃に聞いたご大層な説教はなんの説得力も無い念仏に思えてきます。

無限の可能性

子供の頃に聞いた無限の可能性とはどこに存在しているのでしょうか。

 

現に僕も言われてきました。

無邪気に信じていたわけではないですが、大人になったら「なんかすごいことできるんじゃないかなー」と思っていた節はあるように思います。

しかし考えても見れば、そこら中にいる何者にもなれなかった大人もかつては「無限の可能性」をもった子供だったはずなのですが、その可能性を実現したかについては触れることはありません。

 

本当のことを語らない職業観

やりたいことがみつからなくても焦る必要はない、そのうち見つかるものなのです。

 

青少年を対象とした職業に関する本を開くとこのような文言はよく書いてありますが、最低賃金でなんとか生計を立てている中高年に「やりたいことやってますか?」とでも聞いてほしいものです。

 

そういった人ばかりではないにせよ、世の中の多くの人がただ金をもらうだけの仕事をしているようであり、その現実を踏まえると「やりたいこと」は、誰にでも与えられるものではないと思います。

成功と失敗

努力を積み上げなかった本人の責任なのでしょうか。

日本人が大好きな自己責任というやつです。

 

そのことについては、ハーバード大学教授であるマイケル・サンデル氏が詳細に語っていますが、詰まるところの結論として通俗的に使われる「努力」や「才能」といった言葉は、定義のふわふわしたあいまいな言葉でしか無い、ということです。

それらをまとめて「能力」のある人間が報われうるとしても、その「能力」に関していえばとんでもない不公平が横たわっているのが現状であります。

 

個人に宿る「能力」も、それらに密接に関わる「運」も、ある者にはあってない者にはない、という性質のものであるのが真実のように思えます。

 

 

生まれた瞬間に身分が決まって、結婚相手も親が決めていた封建的な時代のことを古き良き時代とふりかえることは現代では稀ですが、ひとたび蓋を開けて個人の魅力や実力が試される社会となればそこもまた楽園ではないようです

 

いや正確には、生きやすい人にはとことん優しく、生きづらい人にはとことん厳しい世の中である、といったほうが正しいかも知れません。

極一部の幸運な成功者には誰もがやさしいのですからね。

そしてその人たちだけが自分の「努力」を語る権利を得るわけです。

 

それを的確に表現している中島義道さんの「働くことがイヤな人のための本」より

成功者はまさに成功しつづけることをもって、ますます人間的に豊かになっていく。そして、失敗者は失敗しつづけることによって、ますます人間的に貧しくなっていくんだ。

 

京王線のジョーカー

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先日、京王線でジョーカーのコスプレをした24歳の若者が刺傷事件を起こしたことが話題となり、犯人のプライベートが洗いざらいネットにバラ撒かれているのをみました。

 

SNSって怖いですね。

 

どうやらそれらを見る限り、色々うまくいかないことがあったようですが、そういった人間の多くは、事件を起こすこともないまま「キモくて金のないおっさん」になって死んでいくのかも知れないと思いました。