先日、スピリチュアル系のセミナーに参加した。
あらかじめ書いておくと、僕はあまり信心深い方ではない。ただ、ここ数日は外が尋常でない寒さなのもあり、家で紙をめくる毎日だったので、気分転換に無料のセミナーでも行ってみるかと思いたった。やはり、人間と会話をしないと言葉の喋り方がわからなくなってくるのだ。
きっかけとなったチラシをみると、「誰でも、成りたかった自分を発見できる法則があります。」と書いてある。ふむ、うまくやれば僕も宇宙に行ったユウサクの後に続けるのかもしれない。
ちなみに、このセミナーグループの源流をたどると、20世紀の世紀末付近にあった新興宗教ブームに設立された宗教にたどり着いた。
ハーレムにたどり着く
珍しく朝から外出し、バスに乗り、会場になっている施設についたところ、参加者は僕一人だった。その施設の中にはセミナーを主催している女性が1人、その友達(?)っぽい女性が3人がおり、いずれの方も僕よりとてもお姉さんであり、彼女らの子どもでさえ僕より年上だろうと思われた。これぞ淑女の花園。
こうして僕を待ち受けていたのは、全く世代の違う女性たちに囲まれて、初体験のセミナーに1人で参加するという、えもいわれぬ空気であった。
余談になるのだが、30を過ぎたあたりからスピリチュアルとか占いにハマる女の人は結構多いような気がする。一体、何の法則が彼女たちを駆り立てているのだろうか。
天に身を委ねよ
早速、講習が始まった。
この話によると、人間がまわりの環境に及ぼす影響は、意識が1割、無意識が9割なので、本を読んだり講習に行って意識改革をしても、根本の無意識にマイナスのエネルギーが充満していると結局事態は改善しないらしい。要するに、頭で考えて物事を解決しようとするのはよくないようだ。一種のマインドフルネスみたいなものだろう。
そして話のスケールはどんどん大きくなり、先祖やら宇宙やらエネルギーやら波動やらという言葉がポンポン出てくる。どうやら、昨今の天災や伝染病の蔓延も、世界にマイナスのエネルギーが渦巻いていることが原因らしい。なるほど、よくわからん。
ある程度説明を終えたところで、「なにか質問ありますか?」と訊かれたので、「えっと...意識と無意識の比率は何をもって1:9なのですか?」と質問したところ、「これは、そう決まっているのです」との回答を得られた。ここは理屈ではないらしい。
考えるな、感じるんだ。
求めよさらば与えられん
詳しい説明は長くなるので省くのだが(僕は宣教師ではないので)、一連の話を聞いていて一貫しているトーンはいかにして物事を「解釈」するかである。これがあらゆる宗教の根幹であるともいえる。
科学がいかに説明をつくして物事が「ただ起こる」ことを証明しても、その事実が迷える人を救うわけではないので、その意味で科学は無力であり、宗教は有力なのだろうと思った。
その証拠に参加者の、ば...いや、お姉さんはとても快活であった。
字も習う
同日、同じ会場でペン字講習もやっていたのでついでに行ってみた。
字を習うのは小学校の習字教室以来であるが、本格的に筆ペンを使ったのはこれが初めてである。毛筆とは書き心地が違ってなかなか苦労した。
みてください、このキレイな無職。